考えてみると「同期のサクラ」というタイトルは、結構凄い。オリジナルは、もちろん太平洋戦争時代の軍歌だろう。みんなが「見事散る」のでは、悲しすぎる。「見事花を咲かせて」もらいたい。今のところまずいが・・。
このドラマは見方を変えると、現代の風刺画だ。
多くの会社や現代社会が抱えている課題の見える化でもある。サクラが、「スー」という合図とともに発言する事は、どれも正論であり、拍手を送りたくなる。一方、誰も正面切って口に出せない事ばかりである。さらに口に出したが最後、「見事散り」かかる。しかし、それに救われている人も多い。サクラは今日も「仲間のために戦っている。」
ラグビー日本代表 桜ジャパンに感動した後は、こっちのサクラで日本中が感動する事になるだろう。共通するのは、「仲間のために戦う」姿とその「夢を信じて前進し続ける」姿と思う。
このドラマの凄い所は、勧善懲悪ではなく、単純なハッピーエンドではないところだ。
サクラが友人のために動けば動くほど、彼女自身が、左遷され、奈落の底というか「ドブに落とされる。」非常に前向きな彼女自身もこの理不尽さに対して、心が折れそうになるだろう、その時に、彼女は夢を口にする。夢について語り、そして「それだけは、どんな事があっても諦めるわけにはいきません。」で締めくくる。自分を奮い立たせるために。
「ドブに落ちても芽のあるやつは、いつか蓮(はちす)の花と咲く」
サクラを見ていると、なぜかフーテンの寅さんが思い出される。狭い世の中には生きづらい真っすぐさ、そして何度失敗しても諦めないのも同じ。
寅さんの妹はサクラ。これを意識してまさかのネーミング?
「寅さん」みたいに、路上で行き交う人に一生懸命声をかけて、ビラ配りをしている新入社員らしき女性がいた。まだ、スーツ姿がぎこちない。声を張り上げても、ほぼ全ての人が無視。しかし彼女は怯むことなく、配り続けている。ここにもサクラはいる。頑張れ!そして「見事花を咲かせようじゃないか!」
今回の学び「根をはなち 針にさしても咲くものは 春のさくらと若きこころと」
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