「陸王」のこはぜ屋の社長は、よく泣く。
本当によく泣く。
悲しい時も、悔しい時も、そして嬉しい時も。
涙は心のバロメーター
嬉しい時が一番泣いている。一番大きく心が揺れているんだろうな。
「陸王を作ろう!」小学生のように、ワクワクする!
夢のエネルギーは、すさまじい。
前に前にと背中を押される。
苦しい道も怖くない、夢のエネルギーは強力だ。
自分一人で走っていたら、気づけば、一人、二人。
みんなの夢のエネルギーをもらっていた。嬉しくて涙が出た。
困難な道もみんなで走ればどんどん進む。
ついに、大切な人に出会った。
感動で涙が出た。(また泣いた)
この人とならば、ゴールに行ける気がする。
出会いでもって、100m進んだ。
バトンをつないで、さらに前に。ゴールが見える。みんなも笑顔で走っている。
さあ、このまま突っ走ろう。ゴールは近い。
その時
突然、あらしがきた。
取引先が裏切って、機械が燃えて、お金が無くなり、誰も貸してくれない。
仲間が去っていく、別れでもって1000m戻る。
そして夢へのレースはリタイア寸前。
悔しくて悔しくて涙が出る。
選手が待ってる。けど作れない。
ゴールは見えるが、進めない。
ゴールに行きたいが、走れない。
一人、じわっと涙が出る。
どうすればいい?
さあ社長、決断しろ!
夢と倒産、どちらを取る?
夢と社員の生活、どちらを取る?
社員と選手、どちらを取る?
存続と買収、どちらを正解?
どこにも正解はない。
さあ社長、決断しろ!
あんたは鬼だ!あんたは人でなしだ!夢をあきらめろ!そんな金ない!
社長、現実を見ろ!リスクは大きい!夢をあきらめろ!そんな金貸せない!
夢を捨てる?親父を見損なった!
さあ、決断しろ!
泣いても、泣いても答えは見つからない。
会社が潰れそうで、心が潰れそうで、一人で泣く。
もがいてもがいて、もういいか。
ここまで走ったもんな。挑戦したもんな。
アクシデントが重なったもんな。
もういいか?楽になろう。
でも、ぜったい諦めない。一番の武器は、あきらめの悪さ。
諦めなければ、不幸の方が諦める。
そう信じて、泣く。
あきらめて泣くのではなく、あきらめないために泣く。
弱い自分を、涙でもって流しきる。
もっと力を、もっと強さを。
その時、一緒に泣いてくれる仲間が戻ってきてくれた。
涙は、リレーのようにつながって、一人が二人、二人が三人、そしてみんなが泣く
みんなの涙がつながって、大きな川となった。
その川の流れにのって夢に向かう。
泣けば泣くだけ早く行ける。
そして勝利!
みんなで勝って、みんなで泣く。ワンワン泣いて、ザーザー泣く。
悔しい涙は、すごく冷たい
嬉しい涙は、とても温かい。
泣き止んだあとには、豪雨の後の青空のように夢を実現した男の満面の笑みがあった。
そして、自分。
今年は何回泣いた? 嬉しくて泣いたかな。悲しくて泣いたかな。
涙のぶんだけ夢に近づける。
来年は、もっともっと泣いて夢に近づこう、こはぜ屋の社長のように!
今回の学び
「泣いている人は美しい。泣ける人は幸せだ。
苦しい事も、嬉しい事も、みんな泣きながら生きている!その生きる力が美しい!」
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