広重展、これは驚いた!
正直 今まで浮世絵の魅力が今一つ分からなかった。というより、心の中で、西洋絵画(いわゆる油絵)と比べて、浮世絵を低く見ていた。「単なるプロマイドかポスターでしょ?」くらいに。
私のような美術ド素人から見れば、西洋絵画は、高価な絵の具を使い、キャンパスも大きく、そして時間をかけて丁寧に書いてある。(なんとなく高そう!実際高い!!)それに比べて浮世絵は、小さいサイズで、ペロッと平面的で奥行きがない。
さらに決定的な違いは、2枚と同じものがない西洋絵画(現代アートは別)に比べて、浮世絵は、同じものが何枚も存在するではないか!
しかし今回のサントリーホールでの広重展を見て、自分の無知を恥じた。浮世絵師たちに謝りたい。
「美術の価値は、大きさや値段ではない!」(言ってみれば当たり前の事)
「美術の価値は、感動の大きさで決まる!」
と浮世絵を見ながら、(誰だかわからないが)美術の神に教えられた気がした。
さて、展示会場に入ってみよう。
明るいホールから一気に照明が落とされていて薄暗い。静寂の中に、一枚一枚の絵にスポットを当てられている。
吸い寄せられるように、そのスポットの絵に近づいて見る。
凄い!
鳥肌が立つとは、このこと。
「すごい、すごい、本当に凄いのである!」と叫んでも、実際見ないとこのすごさは伝わらないので、今回はこれでおしまい。では意味がないので、なんとか伝わるように、こじつけであるが、浮世絵がなぜ凄いのか?僕なりに、その答えを下の様に列挙してみた。
さて、僕の答えは、この10個の中のどれだったでしょうか?今回は、推理をしながら読み続けてください。
(答えは、このブログの最後に書いています!)
西洋画に負けていない、その凄さとは!
1.
(広重の絵は)グーグルアース!居ながらにして世界中に連れて行ってくれる
2.
(広重の絵は)ファンアイク!超絶技巧で人も小さな花びらさえも精密に描っている
3.
(以下 広重の絵は、を略します。)ブリューゲル!その時代に生きる庶民の暮らしを見せてくれる
4.
マネ!対象のみに集中して、余計なもの省いてくれている。
5.
モネ!対象を単なる写実でとらえるのではなく、光を分析して、実際以上に真実の姿を見せてくれる。
6.
セザンヌ!超単純化、形式化を試みて、全てを記号として見切っている
7.
ゴッホやルソー!100年以上たっても絵が光って見える。
8.
ピカソ! 平面の絵が、3Dにみえてくる。
9.
マチス! 固定観念の色の縛りから自由にしてくれる
10.
ミロ!一本の線と構図を徹底的に計算しつくし、いきなり絵の世界に入り込ませてくれる。
さあ、この中で答えはどれでしょう?
つづく
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