「奇跡の本!」
「まず、走ってみよう!」と、とある日曜日。家の周りを軽く走る。もう20分も走るとヘロヘロ。本当にこれでフルマラソンなど走れるのか。フルだと最低でも5時間以上は走り続けないといけない。しかもスーツ姿。現実を知り、背筋が凍る。後悔先に立たず!
のこり4か月。
趣味は読書と言ったが、ヒマがあれば、コーヒー好きの喫茶店のように「ブックオフ」に行く。生涯、スタバに行った回数よりブックオフに行った回数の方が多いだろう(笑)
ブックでは、大抵100円コーナーで大人買い。(最近はこれが200円になり、非常に迷惑をこうむっているが・・。ただし新書と文庫本は相変わらず100円)
面白いタイトルの本があれば、ダイソーで買い物をするように買っていく。確かに単価はほぼ同じ。
そんな7月のある日、ふと行きつけの飲み屋ではなくブックオフ(笑)に立ち寄った時に、一冊の本が目に飛び込んできた!『忙しいビジネスマンが3か月フルマラソンに完走する方法』 清水康一朗著 出版元 木楽舎 ――失礼だが、著者も出版社も聞いたことがない。多分、発行部数も少ないだろう。実際手にしたのは2008年の初版本。増刷はない。僕自身、今までこの本は見た事もない。
普段では、絶対に興味すら覚えなかっただろう。しかし、この日の僕はもちろん違う。
例えて言うなら、司馬遼太郎や手塚治虫のファンが、幻となった絶版本と出会ったような感覚だったと思う。まさに「奇跡的な出会い!」という感じだった。しかも200円。
話しは少し逸れて、
シンクロニシティという現象をご存じであろうか? 「意味のある偶然の一致」
拡大解釈すると、自分が会いたいと強く思った人や物事に、全く偶然遭遇するという現象である。その確率は、ほとんど天文学的な物でもある。この科学的にはきちんと解明されていない現象が、現実の社会ではたびたび起こっている。
本に関して、そこまで大げさではないが、僕もしょっちゅうそういう体験をしている。
講演会で聞いた本人の本や、あるいはその時に出た話に関する本が、たまたまその週に行ったブックオフで、見つかるということがよくある。もちろん100円(200円)コーナーで。(笑)ベストセラーならまだしも、書いた本人も忘れているような廃版の名著であることが多い。
少しコースをそれたので、通常のコースに戻すとが、この日も僕はまさに、シンクロニシティ体験をした。正直、この本との巡り合いで、今回のプロジェクが大きく成功に近づいた事は紛れもない事実である。
「黄門様と助さん格さん」
家に帰り、早速手にする。まさに目からうろこの連続。
これは、僕のために作った本では?と錯覚する如く。知りたいノウハウの四次元ポケット。コーチにつかず、独学で走ろうと思っていた僕にとっては、まさに泣きっ面ののび太にドラえもんがそっと器具を取り出した感覚だった。
別の言い方をすると、男性が何かの拍子に料理に挑戦しようとした時の「上沼恵美子料理本」(実際使えるらしい)、ともいえる。
さらに、僕にはとって有利なのは、のこり4か月。この本「3か月で・・」よりも1か月多い。これはいけるかも?と暗闇に一筋の光を見たような気がした。
細かくなるので、その中身を少しだけ紹介すると、
まずまえがきが、「私は走る事が嫌いだった。」この一言で完全に掴まれた。(俺もそうだ!)
そして、この言葉に続く、一週目の目標は、なんと、
「ゆっくり走ろう」
(そうか、なるほど!歩いたら完走できるかもしれない。これは、良いことを聞いた。犬も歩けば、完走できる(治山))
さらに、ゆっくりの具体的な目安も書いてくれている 「心拍数140以下で走ろう!」
自分の心拍数がいくつか知らないが、
(そうか、僕がこれまで20分でバテバテだったのは、ペースが速すぎたせいだ。実際、ゆっくり走る(歩く)と30分でも1時間でも疲れない。ある意味当たり前だが(笑)人は、当たり前の事をもっともらしく言われると、急に金言をもらったような感じになる。コンサルや教団でよくある手(笑)
その次は、
「心拍数が測れる器具を買おう」
(よしわかった。すっかり信者(笑))
その言葉で、次の週 さっそくネットで調べたが、この手の器具は実はけっこうたくさんある。どれがいいか分からない。
そこで、僕の友人で、最近フルマラソンだの、トライアスロンだの、すごいのになればアイアンマンになった者もいる(実際社長連中で、この手の競技は大流行り、社長とは自分を追い込むことに生きがいを感じる生き物だろうか(苦笑)
「よし、どちらかな?」と思いながら、御茶ノ水のビクトリアスポーツに行ってみる。ここは、走り専門店。何でもそろう。
そして店を出た時、手にしていたのは「エプソン」(笑)だった。決め手は、当時腕時計のようにリストに付けるだけで脈拍が表示される。(他のメーカーは胸に別の器具をつけなければならない。今はいい商品が出ているらしい。)
普段の生活は時計を全くしない僕であるが、それからは、この心拍計と同行二人、R2D2とC3PO.ルパン三世とワルサ―P38(分かる人には分かる)常に一緒に歩んでいくこととなる。
ここにおいて、マラソンという旅において最高のお供を手に入れた!例えて言えば、それは、水戸黄門と助さん(本)、格さん(心拍計)状態だった。 ・・しかしまだ、弥七、うっかり八兵衛、由美かおるはいない(笑)
(つづく)
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