解説編 つづき
6. 感動と共に頂上にたどり着き、友人Kと抱き合った後。彼の勧めで(彼は何度となく富士山に
登っている。) 頂上の小屋でラーメンを食べた。東京本流東京ラーメン。
今までで人生で何杯ラーメンを食べたかわからない。しかしこのラーメンは必ず僕の美味かった
ラーメンベスト10に残るラーメンと思った。
富士山を登り、塩分が消耗しきった後の、この塩味がきつめのラーメンの味を僕は一生忘れない。
これは多くの美食家と言われる人もほとんど味わったことがないだろう。
ぜひ食べてもらいたい逸品である。
教訓:頂上に登るとその人でしか味わえない最上のご褒美が待っている。
7. 頂上で極上ラーメンを食べ、頂上の神社にお参りしたのち、30分位休憩し下山に向かった。
これまたあまちゃんだった。下りるだけでしょ?と軽く考えていたらところがどっこい。
永遠4時間以上のくだり道が待っているのです。
もちろん直線ではなく、100M位のぎざぎざの道を下り続ける。ちょうど砂利の砂場を歩いている
みたい。
早く歩こうとすると砂利に足を取られ、何度も転んだ。しかも景色は行けども行けども灰色がかった
世界。砂ほこりは激しく、サングラスとマスクは必携。
心身ともに痛めつけられる。頂上の感動はどこへやら。何試合も続く、消化試合のように疲れ切った
体でとにかく5合目を無言のうちに目指す一行。ほこりまみれ、汗まみれで5合目についたとき
頂上とは違う感動があった!
教訓:商品を仕入れて並べるだけが仕事ではない。お金を回収するまでが仕事。
8. 今回ご来光は頂上では見なかった。確か7合目と8合目の間で見たと思う。
それで良かった。決して負けず嫌いで言っているわけではない。
一緒に行っているチームは何度も登っているチーム。5合目を3時~4時の間で出発する
スケジュールであった。
なぜなら、今回9合目までルートは、ほぼがら空きの状態。大抵みんなご来光を頂上で見たいと
思っているわけでこれに合わせると登山渋滞に巻き込まれる。事実3時くらいに山を下りること
には、5合目くらいには数珠つなぎのように人があふれていた。
空いているのが何よりいい。自分のペースで登って行ける。前のペースで渋滞状態になると、
酸素が薄い中疲労がたまり、確実にへたってくる。今回それがなかった。
また、ご来光も、ガイドがどこで見ても同じだよというように、(実際は違うかもしれないが)
7合目で見たご来光に非常に感動した。真っ白い雲の間からゆっくりゆっくり真っ赤な卵が
生まれるように太陽が出てくる。少し顔を出しただけで、空は青くなり、さらに丸い卵を中心に
真っ平水平線に赤い水が流れ出すように、横一文字に赤の線が引かれていく。
その後、その赤い線は太くなり、やがて赤い面となる。
青と赤と白のコントラスト。
思わず手を合わせたくなるような光景であった。
教訓:常識にとらわれずに、自分の考えを持った計画が勝利を呼ぶ。
9.今回のど素人かつ、あまちゃんの僕がなんとか登頂、下山できたのも、K氏とK氏の会社の
みなさんの大いなるサポートのお陰だと思う。先ほどのスケジュールから始まり、何かあった時の
準備・対応は気配り・おもてなしの鏡であった。
僕のほかに、K氏の会社の新入社員18名が今回参加し、初登頂全員がみごとゴールしたと
いうのも、事前の完璧な準備、そしてお互い励ましあう仲間、さらにはそれを引っ張るリーダー力
だったと思う。
聞けばK氏の会社は別イベントで毎年100キロマラソンに挑戦し、女性から男性まで、ひどい時
には2日以上不眠でゴールするという。
教訓:K氏の会社に学べ。
/治山 (次回へ続く)
コメントする