50歳を前にして、初めて富士山に登った。
5合目から登って降りるまで約12時間、めちゃくちゃ疲れました。
5合目(2305m)から残り1471m。(富士山3776m)
経験したことのない人は(高低差)1.5キロ弱でしょう? 毎日通勤の際に行き帰り結構歩いて
いるよとか、ゴルフ場でもワンラウンド10キロ位でしょ?随分大げさな!と感じる人もいるでしょう。
実際僕がそうでした。
正直、なめていました。
友人に誘われ、彼と彼の会社の方々、総員約30名登りました。
まだ、夜が明けていない3時30分ごろ5合目を出発。そしてそこに戻ってきたのがまさに12時間後の
午後15時30分ごろ。頂上到着も10時30分ごろと7時間かかりました。
感じた事、書きたい事はまさに富士山のごとく山とありますが、
印象に残ったことをまとめますと(後で詳細)
1.イモトは偉大だ!
2.80%は、決してゴール間近ではない。
3.やっぱり基本が大事
4.おにぎり最高
5.目指せ!日の丸!
6.頂上ラーメンが本当に美味しかった。
7.帰りをなめるな。
8.ご来光は、頂上で見ない方がいい
9.友情、仲間
解説編
1.イモトは凄い。見るのとやるのでは、ここまで違うのかと本気で思う。
テレビ番組で世界の山に登るお笑い系イモト。今後は彼女を見る目を変える!
とにかく100m、いや10mが非常に遠い。
疲労を山と抱え重い足を引きずって、息も絶え絶えに一歩一歩砂利道を上がっていく。
まだこれだけしか進んでいないと何度思ったことか。
屋久島にも何年か前に行った事があるが(これも友人に誘われて)、それの10倍はきつい。
その理由として、横の移動なら普段我々は経験している。
しかし、縦の移動はほとんど未知数。酸素が少なくなる中で横縦の移動がここまで大変かとは
思い知った。
正直、行く前はなんとかなるだろうと事前の運動もほとんどせず。
案ずるより産むが易しと僕の信念的な、気持ちでスタートした。しかしその気持ちは、歩き出して
3時間くらいですでに、キツッと反省気味。しかし始めた以上何が何でも最後まで!という気力で
頂上まで行けた!もちろん多くの人のサポートがあったからです。
教訓:「他人のやっていることを見下すな」、また「案ずるより産むが易しでない事もある。
しかしやる気と準備と応援があれば達成できる!」
2.80%出来れば、ほぼ完成と思うが、全く違う!という事を思い知らされた。
山では、99%の地点でも断念した話をよく聞く。ましてや8合目と頂上では、天と地の違い。
行けども行けども次の合目までは着かない。最初の5合目から7合目でさえ、まだかよ!と
思った。もうだいぶ登っているし、もちろん7合目過ぎたあたりと思っていたら、7合目まではまだ
まだ。
つらいのが見た目、決してはるか遠くではない。すぐそこに見えている。しかし眼上に見えている
あの7合目の小屋まで辿り着けない。これが頂上まで延々と何時間も続く(涙)
教訓:仕事で80%完成と思ってもまだまだ先があると思ってもまだまだ先があると思ってやる
べし。8合目はまだ道半ば。
3.同じ様に登っていて、途中下山する人と頂上まで行ける人の差を一言でいうと、基本をやり続けて
いるかどうか?基本とは、歩き方と呼吸法。
ガイドさんに言われた誰でもできるこの2つを、最初から最後までやり続けることが、のちの大きな
差となって表れた。
もうキツイと思った時こそ歩き方と呼吸を思い出して前に進んだ。そうすることで何とか前に
進めた。
教訓:遠くに見えた頂上も小股で一歩一歩、やり続けると最後はゴールに行ける。
4.途中のおにぎりがどれだけ力になったか分からない。コンビニおにぎりを2個もらい、登り始めた。
まず一つ目を7合目位で食べた時の感動!
昼食にあれだけ食べている物とは全く違う。なにか体の内側からくる元気!
おにぎりの他に飴やカロリーメイトなども多く持っていて、ちょくちょく食べていたが、おにぎりだけ
何かが違った。
もう一つは結局頂上で食べた。おにぎり一つで苦しい時、また頑張れるとも思う。
もう一つあるということが、僕を支えてくれた。
昔たしか、「黒パン捕虜記」という直木賞があったが、その時の僕の気持ちだった。
おにぎり最高!
教訓:心に「おにぎり」があれば、今を頑張れる!人それぞれのおにぎりを見つけよう。
5.心身ともにバテバテで9合目の白の鳥居を過ぎたころ。頂上を見上げると真っ青な空にたなびく
白と赤の日の丸が見えた。あれがゴールだと思った瞬間、最後の力が出た。
肩に突き刺さるリュックの重さがふっと軽くなり、養成ギブスをしたような足の辛さも消えた。
心も体もゴールに向かってターボがかかった。まさに神がかった瞬間であった。
教訓:手に届くゴールが見えると、人間は自分自身で新たな最強エネルギーを生み出すことが
出来る。
(次回につづく)
/治山
コメントする