治山です。
先日、ネンド作品展を見てきました。
作品はどれも自由な発想のネンド作品。
ネンドによる椅子もあれば、机も、そして提灯、時計さえもある。
ネンドで?
と思われた方。粘土違いです。それを狙っていたわけですが(笑)
このネンド展というのは、
今、西武渋谷店で開催している「プレイフル・シャドウズ展 BY ネンド(2013年3月12日から24日)」の事です。
これは、良かった!そして参りました。
発想の転換とはこういうものかと、天才とはこういうものかと大いに刺激を受けました。
会場に一歩入るとそこは、まぎれもなくネンドワールド(ちなみにnendo ならびに佐藤オオキ氏をご存じない方は、ネットで調べてみてください。世界が注目するデザイナーで、早稲田を首席で出てから、斬新的なデザインで、世界が尊敬する日本人100人に選ばれたり、作品がMOMAニューヨーク近代美術館に収納されていたり、とにかくすごい人です。)
さて、会場には、シンプルの極み。限界まで、無駄を取り除いた作品ばかり。
それらは、形のみならず色までも単純化して、黒一色というこだわり。
広い会場には、ポツン、ポツンと作品が展示されていて、まるで、夜の湖に小舟が一隻うかんでいるように思える。
静寂な中に、圧倒的な余韻を漂わせる空間は、利休の茶室にも似たわびさびを感じさせ、
一方、武士道的な凛とした緊張感もみなぎる。
さら空間の中に長く身を置くと、静寂の中での悟り。まさに禅に通じる気さえする。
のめり込みすぎ(笑)
作品群は、日常的なもの、つまり椅子や机、ハンガーや時計をテーマにしながら、思いっきり非日常的な芸術品となり得ているし、
一方これらは、どちらかというと西洋の日用品でありながら、どれも不思議と和を感じさせる。
この天才は、日常と非日常、西洋と東洋と一見通常相反すると思われる2つ、3つのものを、こともなげに組みあわして、全く新しいものを作り出していく。
おもしろいのは、それは単に抽象的な感覚の話ではなく、個々の作品を細かく見ると、素材やデザイン、使用法などで全く結びつかないだろうというものを、結び付けている。そこにこそネンドの真骨頂が見られる。
作品に比べ、全くシンプルでない文章を連ねてきたので、(反省)ここら辺りで個々の作品を紹介する。
さて、これが難しい。芸術作品をどう表現していいのか?考えた末、各作品を私なりに題名をつけてみた。(勝手にごめんなさい。)私の乏しい語彙、全く的外れのような気もするが、題名により、みなさんの想像力を自由に働かして、作品をイメージしてみてください。
作品群
・ 空飛ぶちょうちん
・ 一筆書きによる椅子
・ 本の牢獄
・ 脚が足りない机
・ 透ける木の板の机
・ 輪郭だけの器がない花瓶
・ 石油から出た兄弟素材(カーボンと発泡スチロール)が協力した椅子
・ コカコーラの輪廻
などなど
さて、ここで、興味をそそられた方、ぜひ会場に足をお運びください。百聞は一見にしかず、百見は、一感にしかず。自分の目で、心でお感じ下さい。
頭の刺激になりますよ。
/ 治山