治山です。
以前にこのブログでも書きましたが、「萩原 浩」を読み続けています。
この人、相変わらず一押しです。
そして、「明日への記憶」以来、今再び時の人になっています。嬉しい限りです。
そのきっかけは、水谷 豊さん主演の映画「HOME」。
萩原さんは、この作品の原作者、原作本のタイトルは「愛の座敷わらし」。
これは、すごくいい。 失礼、この作品「も」すごくいい。
萩原さんの得意とする家族ネタ。今回の飛び入りゲストは「座敷わらし」、まあ、崩壊寸前の家族が
このひとつの不純物の参加で絆を修復していくという(失礼だけど)ありがちな設定。
しかし、そこは稀代のストーリーテラー萩原さん、涙あり笑ありで映画を見るごとく一気に
クライマックスまで楽しめる事間違いなし。LEDではなく、こころにポッと昭和の電球のような
温かい明かりが心にともります。
そして、この「愛しの座敷わらし」以上に我が愛しの作品が、「ハードボイルド・エッグ」、
「サニーサイド・エッグ」シリーズ。
少し前の作品だが、これは掛け値なしで、はまります。
個人的な意見を言わせてもらえば、こっちの作品もぜひ映画化をお願いしたい。
この作品のウリが、表紙の帯にあるように、「なけなしの勇気とへらず口」
ハードボイルド、探偵小説というジャンルであるが、この作品の一番の楽しさは、トリックのどんでん
返しやハードボイルド的なハラハラ感がではなく、とにかく最上のへらず口、
ツボにはまると相手がヤクザだろうが、警官だろうが、へらず口をたたく。
その心意気やお見事!しかし、一点、美女の前ではへらず口が、無口となる。
まさに硬派、ハードボイルド。
自分がぼこぼこにされたあとに一言、「人の前に唾を吐くのは、別れ話を持ち出された女だけかと
思ってたよ。ハンカチを貸してくれないか。レースのついたやつでもいいから。」
もちろんへらず口ばかりではない、グリコのおまけのように人生の教訓も
「ただ今日を生きていくだけ。未来を恐れなければ、毎日はそう不幸せなものではない。」
座敷わらしが読書後の心に温かい明かりがともるなら、こっちはハートにズドンと32口径の
「指」鉄砲の弾を撃ち込まれたような感じで笑いと勇気をもらえます。
さらに萩原作品ゆえに、お約束のホロッと温かい、心の暗闇にマッチの火でわずかにふっと
灯がともるような感じです。
ちまたで流行っているワイルドだぜぇ、以上に最上探偵、ワイルドだぜぇ!
ぜひ、みなさん一読を。
/治山
P.S:この場を借りて、この続編がないのが非常に残念でしょうがないと思っているなは私
一人だけではないはず、萩原先生ぜひ続編をお願いします!