治山です。
あの震災から1年が経ちました。
いろいろなテレビ、新聞、雑誌等が特集を組んで、あの日の事、あの日からの事を伝えていました。
つい先日、ある方から手紙が送られて来ました。
その方は、私の知り合いで、今回の震災で被災されました。本人は勤務中で九死に一生を得て
助かりました。しかし、小学生の子供を迎えに行った奥さんは、自らの身を犠牲にして、一人息子を
助けて亡くなりました。
とてもきゃしゃな奥さんが、自分より大きく育った小学校高学年のお子さんを、どうやって支える
ことができたのか。私も葬儀で初めて奥さんの写真とお子さんを見て、その愛情の強さに
あらためて涙が止まりませんでした。
それから一年、いただいた手紙には「子供も少しずつショックから立ち直り、明るさを取り戻しつつ
あります。先日、友達の家に遊びにいったようです。」と書かれていました。
そして、同封の写真には、ぎこちない笑顔のお子さんとお父さんが写っていました。
写真を見て、私は人間の持つ、強さに胸が震えました。
被災された方々にとって、決してあの日の記憶は消すことが出来ないと思います。
しかし、人は生きている限り、過去を乗り越えて前に向かって歩んで行かなければならない。
そこに留まることは許されない。
お子さんも何度も折れそうなほどに、辛かったと思います。 でも、きっと誰かが支えてくれた。
人は、自分自身の強さと、支えてくれる周りの人たちの絆の強さで生きています。
実は、その支えてくれる人たちとの強い絆こそが「命綱」と呼ばれるものであると思います。
人は、必ず誰かと繋がって、さらにその人も誰かと繋がっている。
全ての人が何本もの命綱で、繋がり、折れないように落ちないように生きていけている。
私自身、何本の綱に支えられて、そして何人の人を支える綱になりえるのか?
前日、アウンサン スーチーさんの言葉を聞きました。
「私が約束できる唯一の事は、一生懸命やるということ。」
3月11日。この日が来るたびに、もう一度生かされた我々が、日々一生懸命生きる事。
そして、私の周りの一人でも多くの人を支える命綱になろう。
これを思い出し、前に向かって生きていこうと思います。
/治山
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