治山です。先日マリオバレンチノの社長、ビンチェント・バレンチノさんとお会いしました。
まさに陽気なナポリ人。昨年、私がイタリアへ出張した際にもお会いする機会があり、今回久々の
再会でした。
バレンチノさんはナポリの話を始めると止まらない。大きな目をキョロキョロさせて陽気に
明るく話す方です。昨年お会いした際は、約3時間半の食事の間中、ほとんど一人でしゃべりっぱな
し。サッカーで言うとボール支配率97%くらい(笑)
ナポリの歴史から、ナポリの文化、ナポリの食事などなど、まさにプロフェッサーのようでした!
また、バレンチノさんは大の日本好きで初来日は17歳の時だそうです。
そんなバレンチノさんとの再会で思い出した、ナポリについて昨年現地で聞いたジョークを
一つお話したいと思います。
ナポリは風光明媚で素敵なところですが、犯罪率が飛びぬけて高いらしく、スリやひったくりが
もの凄く、何年か前の統計ですが、イタリア全土で年間300万件。イタリアの人口が6,000人
だから20人に一人は何か被害に遭っている計算。ただしこれは届出の件数で、実際はもっと多く、
南部では特にひどいそうです。
話を元に戻すと、ナポリでは特にローレックスが人気。その手の人から見ると本物か偽者かが
数メートル先から判断でき、本物だけが狙われるらしい。まさにプロ。
あるアメリカ人が車でナポリに来た際、運転席の窓を開けて走っていた。その左手にはローレックス。
すると後方からバイクが来て、いきなり手をつかんで、ローレックスを抜き取ろうとした!驚いた
アメリカ人が振りほどこうとしても振りほどけず、車はそのまま走っている。
助手席に座っていた友人が彼の手を引き戻そうと加勢した。しかし、その友人の手にも運悪く
ローレックス。そうするといきなりバイクの後に座っていたもう一人が、友人のローレックスを取ろうと、
走っている車とバイクで4つの手が錯綜。映画さながらのバトル。
そうこうしているうちに、後からノーヘルメットの人相の悪い一人がバイクで追いかけてきた。手には
なんとピストル。アメリカ人は身の危険を感じて、ローレックスをあきらめようとした瞬間、なんとその
人相の悪い人は警察バッジを見せた。
2人乗りのバイクはそのまま逃げ去った。
話はまだ続き、その後、事情聴取のため、ナポリの警察署に連行さ、その警察署の駐車場に車を
止めて建物に入ろうとした瞬間、警官が一言、「君たちの車の中のスーツケースも全て持って入って
くれ、危ないから。」と。
「ちょっと、ここは警察署の敷地内の駐車場でしょう?」と言うと、警官がさらに一言、「ここはナポリ
だから。」
バレンチノさんがいくらナポリは良いと言っても、ちょっと行くのをためらう私でした。
/治山