治山です。
最近、本当に素晴らしい本を読みました。
それは『現代語訳 学問の進め』 著者:福澤 諭吉(斎藤 孝 訳) です。
正直全く興味はなかったのですが、たまたま知人が「感動した一冊」というコラムで紹介していたの
を読み、何となく買って何となく読み始めました。
それが読み始めたとたん、ハマるハマる!素晴らしいの一言です。
福澤諭吉はとにかく凄い!切って切って切りまくる!
その切り様は、「太田総理」も「たかじんのそこまで言って委員会」の面々もたじたじになる程。
非常にさっぱりとして爽快。
そのぶった切る相手は、幕府も武士も、漢学者だろうが国学者だろうが洋学者だろうが、
はたまた孔子だろうが、間違っていることに対しては、容赦なく遠慮なくぶった切る。
もちろん、ただ暴言を吐いているという事とは違い、ゆるぎない信念と物事の本質を恐ろしい程の
洞察力で見抜いた上で切っている。その正しさは、ほぼ150年後の今日の歴史が証明していると
言える。
現代語訳の斎藤 孝さんがはじめに、「冒頭の天は人の上に・・・。」の例の有名なフレーズは
誰でもそらんじることができる。しかしこの本を読んだことがある人は、ほとんどいないのでは
ないか?と言っていたが、その通り、あまり読んだことのある人はいないのではないか?
しかし読んでみて、この古典を今読まないととてももったいない。そんな気がする本です。
先ほど書いたように、難しい本というより、椎名 誠さんや土屋賢二さんのように歯切れが良く、
そしてユーモアに富んだ上質のエッセイを読んだような爽やかさです。
もちろん、福澤諭吉のリズムやテンポをそのまま残しながら現代語に訳してくれた斎藤 孝さん
のような天才がこの時代にいて、この仕事をしてくれた事にも我々はすごくラッキーと感謝して
います。 今年一番の収穫です。
/治山